●○● パンダへの路・四川省臥龍 ●○●

パンダとは直接関係ありませんが、道程

成都から臥龍までは約140km。
今回は、行きは7時間、帰りは5時間かかりました。
標高500mの成都から、2,000mの臥龍までの道程は、大きく分けると、3つのエリアに分かれます。
(写真は行きと帰りに撮影したものが混ざっています。曇っている写真は霧がかかっているのではなく、窓ガラスが汚れているのです。)

◆成都→都江堰
この区間は高速道路も整備され、約1時間半で都江堰に到着します。
都江堰は2,300年前の水利工事の跡で、世界遺産にも登録されています。
ここまではずっと平地です。

◆都江堰→映秀(三叉路)
都江堰を過ぎると山道を登りだします。

途中、大きなダムを通過し、大きなダム湖に沿って、約1時間半ほど進みます。
このダム湖は、去年来たときにはなかったそう。
四川省は水資源が豊富なので、省全体の67%が水力発電だそうです。
所々、水没した家が頭を覗かせています。

山道を登ります 大きなダム湖 水没した家の屋根
橋は完成したがまだ小屋が 土砂崩れがダム湖に 水没を免れた家

道沿いには、「阿〔土貝〕ABA・大熊猫的故郷」という文字とともに、大きなパンダの看板が目に入ります。
「阿〔土貝〕ABA」という地名は初めて聞きましたが、ガイドさんによると、ここはチベット族(!)のエリアで、正式には「アバチベット族自治州」。
ABAはチベット語で「収穫」という意味があるそうです。
チベット族?チベット語?やはり、臥龍はチベット圏だったのか・・・

三叉路がある映秀はなんというか、ただならぬ雰囲気をかもし出しています。(香具師の雰囲気)
この三叉路を右へ行くと、観光名所の九寨溝。
左に行くと臥龍、さらに奥には四姑娘山があります。

◆映秀→臥龍
本格的な山道に入りました。
山からは、山羊、ヤク、馬(ラバ)、キャベツが運ばれてきます。
ここの道路のことは、一生忘れないでしょう。
両側は高い山、その真中を流れる渓谷、渓谷に沿った一本道を車は走ります。
両側の山肌は、スレート板を積み上げたような奇石の連続で、その石の間から木々が生えているように見えます。
「素晴らしい山と渓谷の景色」「美しい紅葉」と感嘆しながら進む山道なのですが・・・

紅葉の山と渓谷 清流です
対向車には山羊が 奇石が続く

どこもかしこも道路工事をして渋滞中。
ただ単に、「道路工事をしていて時間がかかった」ということではなく、ここで見たものと感じたことは忘れることはできません。
「去年はちゃんと舗装されていた」という声がありましたので、なにか新たな計画があったのでしょう。
見た印象では、道幅の拡張、堤防建設、土管埋設の工事をしています。
美しい渓谷のそばでの道路の大工事。
「環境破壊だ〜!」と思いながらも、その道路があることによって、我々が臥龍に行くことができる。
数年後(?)立派な道路ができたあかつきには、さらに多くの観光客がやってくるのでしょう・・・

渓谷沿いの一本道。 こんな!すでに一車線 ぶつけられて運転手さん頑張る
土砂崩れがすぐそこまで こちらは事故
道端のキャベツ畑・・・
人力でなにかを運ぶ工事の人

中国には何度か行っている私ですがいつも都会ばかり。
実はこのような奥地は初めてで、話には聞いていたし、テレビでの映像でも見てはいましたが、実際にこれらを見て、この矛盾をどのように消化したらいいのか戸惑いました。
そしてまた、「パンダは中国の国宝」と言われますが、もともとはチベットの動物だったことを実感し、複雑な思いになりました。

おしまい。
 

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