台北からの日帰り小旅行
 
◆平渓線の旅(2004年12月)

台北から日帰りで、平渓線の旅をしてきました。
この平渓線の「十分」駅は、侯孝賢監督の映画「憂鬱な楽園(南国、再見南国)」のロケ地。
映画のストーリー自体はあまり記憶に残っていないのですが、商店の軒先すれすれに走る列車、憂鬱な南国の暑い午後の空気が感じられる映画で、「十分」にはぜひ行ってみたいと思っていましたが、せっかくなので他の場所も観光できれば、と行って来ました。

■行き方
台鉄「台北」駅から、「瑞芳」まで行きます。
自強号、呂光号、復興号とも「瑞芳」方面には行きますが、止まらない列車もありますので気をつけてください。
基隆行きの「電車」は瑞芳にはいきませんのでご注意ください。
詳細は台湾鉄路のホームページをご参考にしてください。 http://www.railway.gov.tw/

瑞芳駅に到着すると、ホームで「平渓線一日旅遊票(54元)」が売っていますので、あちこち行くならば、これを購入するのがいいでしょう。
ちなみに瑞芳までは、「金瓜石」行きの路線バスが台北の忠孝復興駅付近からも出ているようですが、一体何時間かかるでしょう?

「瑞芳」発の平渓線の時刻表は以下の通りです。
ただし、私が駅で調べてきた列車と、台鉄HPの始発の時間が違うのですが。(台鉄HPの始発は、「0648」)。
まあ、「0443発」に乗る人はいないか。
車種 終点 出発時刻 備考
復興 青桐 0443  
復興 青桐 0648  
復興 青桐 0720  
復興 青桐 0900  
復興 青桐 0939  
復興 青桐 1020 土、日だけ
復興 青桐 1135  
復興 青桐 1308  
復興 青桐 1529  
復興 青桐 1610  
復興 青桐 1653  
復興 青桐 1742 土、日だけ
復興 青桐 1823  
復興 青桐 2120  
復興 青桐 2301  

今回私は、「1135発」に乗りましたが、一日ゆっくりと遊ぶならば、「0900発」「0939発」あたりに乗りたいところです。

■十分瀑布
無人駅の「大華」で降り、そのまま線路をテクテク歩きます。途中には小さな滝などがあり、緑の中を歩きます。
川を渡り、トンネルをくぐると、「十分瀑布」の入り口があります。ここまで約20分くらいです。
「平渓線一日旅遊票」を見せると、入場料180元が100元になります。

十分瀑布は東洋のナイアガラとも呼ばれているとのことで、思ったよりも幅が広く、高低差も水量も有り、かなり迫力の有る滝でした。
瀑布公園の中には散策路、喫茶店、バーベキューコーナーなどもあり、ハイキングをかねてここで一日過ごすのも楽しいかもしれません。

瀑布を出て、そのまま十分方面に向って歩きます。途中からは、一般道が線路と平行して走っていますが、そのまま気にせず線路を歩くこともできます。
十分駅までは徒歩20〜30分くらいです。
「大華」駅 そのまま線路を歩きます 十分瀑布の入り口 迫力があります

■十分駅周辺
映画で見ていた通り、商店街の軒先スレスレに線路が走っており、まさに憧れの風景ではありました。が、、、
なんと言っても寒い!!この寒さでは、あの映画の暑い空気を感じることができません!
また、ちょうど列車が来れば、このスレスレ感覚を楽しむことができるのでしょうか、今回は時間の関係でそれはあきらめました。

実は途中、「台灣煤礦博物館」の看板を見かけたのですが時間の関係で素通りしましたが、閉山した「新平溪煤礦」跡が博物館になっているそうです。
次回は何としても行かなくては!

■青桐駅周辺(本当は「青」に草冠があります)
平渓線の終点駅の「青桐」。
日本統治時代の、かわいらしい木造の駅舎です。
なんの知識も無くただの終点だと思い、なんとなく下車すると駅前には大きな廃屋らしき建物が。
石炭を線路の列車に落とすホッパー口もあり、「煤礦珈琲」の看板がでています。
コーヒーを飲むつもりはなかったのですが、なにか日本の面影を見つけることができれば、と思い向っていくと、「石底大斜抗跡」の看板が。。。これは行くしかないでしょう!
階段を上るとすぐに視界がパッと開け、目の前にはトロッコ跡と、廃屋が連なっています。
トロッコ跡に沿っていくとそこには「石底大斜抗」、つまり炭鉱の坑道の入り口が!
今では雨水に埋もれてしまっていますが、立派な抗口です。そして入り口には、「昭和十二年三月起工」の文字が刻まれています。
かつてここで、(広義の)日本人が働いていたんだ、と思い、また映画「多桑」を思い出しました。
ひとしきり廃屋とトロッコ跡をめぐって遊びましたが、帰りの列車の関係で途中で切り上げて帰ってきました。

そもそも平渓線は、炭鉱で採取された石炭を運ぶためにできた線路だったということは知っていたのですが、ここまで大規模に炭鉱跡が残っているとは思ってもいなかった。
「石底大斜抗跡」の奥にはまだまだトロッコが伸びており、ここにはもう一度暑い季節に来たいと思います。
「煤礦珈琲」 「石底大斜抗」の入り口 線路の先には
なにがあるのだろう?
 

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