台湾語ダジャレ

ホティアホティア、 サパンヌンティア、カチレケイヒィア
「好聽好聽、三房兩廳、甲ー個客兄」

中カラで、台湾人に台湾語ダジャレを言ってみてコミュニケーションを深めるのに、面白い言葉がこれです。
例えば、自分でうまく歌えなかった時、終わってからこれを彼らの前で、言って笑いをとってみる等皆さん、日本でも、流行させませんか?

意味的としては、表面的に「好聽好聽((歌等が)うまい、うまい)」とほめているようで、実は皮肉を言っているものです。
なぜ「皮肉」というと、それは「好聽好聽」の後、余計に「三房兩廳、甲ー個客兄」と付け加えられた問題です。
ご存知のように、本当に褒めるようでしたら、「好聽好聽」だけで充分です。
「三房兩廳、甲ー個客兄」は「褒める」という言語行為とはまったく関係ない言葉です。
無意味の言葉を後につけることによって、「好聽好聽」に「言外の含意」をもたらすのです。(「語用論」という分野からの解釈です)
ちなみに、「三房兩廳、甲ー個客兄」の意味は、

「三房兩廳」:台湾70年代において、一番多く見られる住宅の間取りでした。部屋三つ(夫婦の寝室1、子供部屋2)、応接間(客廳)、居間(ご飯を食べる場所―「飯廳」)台湾人は食事をするとことをわりと重視していますからね。

「甲」:おまけ。サービスとしてつけてやる。

「ー個客兄」:情夫ひとり。  

つまり、「三房兩廳」のほかに、さらに「ー個客兄」をサービスする、という意味です。
総合すれば、「うまい、うまい、3LDKに愛人(情夫)サービス」とこれで、完全にチンプンカンプンになってしまいましたよね。
このチンプンカンプンな意味不明のところが、「うまくない」という反意の含みをもたらすのです。

それから、駄洒落としてなりたつには、意味だけでは不充分です。
区切りのところに同じ韻母があって言いやすいことが大切な要素です。
「好聽好聽、三房兩廳、甲ー個客兄」は以上の条件を揃えていますので、駄洒落として言い続けられているのです。

ちなみに教会ローマ表記をすると、
ho2-thiaN ho2-thiaN
好  聽  好 聽
saN-pang5 nng7-thiaN kah4 chit8-e5 kheh4-hiaN
三 房 兩 廳 甲 ー 個 客 兄

ちゃんとiaN(nn)で押韻した「一級棒」なダジャレですね

発音について
chit8-e5         chit8-le5
ー 個 は音便変化し  チ  レ となる事に注意
「N」の発音は、鼻にかけて発音する音節です。
(KK・2000年)

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